糖尿病が歯周病に悪影響をもたらすことは広く知られていますが、近年、歯周病が糖尿病を
悪化させ、歯周病菌が歯肉の血管を通じて全身を巡り動脈硬化を引き起こし、その結果脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高くなると言う研究結果も出ています。
医科、歯科の疾病の関連が次々と見出され、「口腔は病気の源」といわれるようになり、両者の関係は大きく見直され、医科と歯科の連携を模索する動きも活発化しつつあります。
厚労省が策定した「21世紀における国民健康作り運動ー健康日本21ー」で、健康増進のため取り組むべき項目として、
1.栄養、食生活
2.身体活動・運動
3.休養・心の健康づくり
4.たばこ
5.アルコール
6.歯の健康
7.糖尿病
8.循環器病
9.がん
とあり、それぞれに数値目標が設定されています。
注目すべきは、重要度の順が、糖尿病、循環器病、がん、より「歯の健康」が上位にあることです。
歯に関する二大疾患の一つである歯周病は、糖尿病と循環器病との関連が明らかにされ、またがんとの関わりを示唆する研究も発表されています。
厚労省が特に日本歯周病学会を重要視する理由がここにあります。歯周病はもはや、糖尿病や循環器病と同列に考えてもおかしくないと言えるでしょう。
しかしながら、歯周病は「虫歯」より認知度が圧倒的に低く、よく解らないためか、web上でその治療法を調べても再生医療や、インプラントとの兼ね合いなど先端技術を駆使した高額な治療、特殊な薬や器械を使った治療法や民間療法的な治療ばかりが目立ちます。
それぞれが有効な治療方法であっても、方法のみにこだわると歯周病治療の本質について見失うことになり、ドクターショッピングをすることになります。
歯周病は「治療」よりも「メンテナンス」の部分に重きを置くべきで、永く付き合える信頼の置ける歯科医や歯科衛生士と出会うことが最も大事だと考えます。
日本糖尿病協会登録歯科医
丹田 博己
日本人間ドック学会認定歯科衛生士
谷垣和美 |